本庄・保険金殺人疑惑事件


−経緯−
平成12年3月24日、埼玉県警本庄署は、保険金目当てに偽装結婚を仕組んだとして「公正証書原本不実記載」などの容疑で、地元の金融業・八木茂(当時50歳)と、八木の3人の愛人である飲食業・武まゆみ(当時32歳)、無職・森田考子(当時38歳)、無職・アナリエ・サトウ・カワムラ(当時34歳)の4人を逮捕した。

だが、警察の最終目的は保険金詐取目的の殺人罪の立件であった。以前から、八木を中心に保険金目当ての殺人疑惑が次々と浮上。警察も多方面にわたって内偵を実施。ついに別件ではあるが逮捕に踏み切った。

まず、平成11年5月29日、元パチンコ店員Aさん(当時61歳)が急死。さらに5月30日に元塗装工Bさん(当時38歳)が薬物中毒で入院。このAさんとBさんは、それぞれ森田、アナリエと偽装結婚しており、AさんBさんの2人には10億4000万円の保険が掛けられていた。

また、アナリエの前夫は、平成7年6月に埼玉県行田市内の利根川で水死し、3億200万円の保険金が支払われている。更に警察が調査した結果、八木容疑者の周辺で8人、合わせて24億円の保険金が掛けられている事が判明した。

−逮捕が遅れた原因−
だが警察は、八木を逮捕することが出来なかった。それは、AさんやBさんから毒物が検出されず、決定的な証拠が出なかったことによる。ところが、警察は、武に対する内偵で、ある事実を掴んだ。それは、武の実父が大量の風邪薬とアルコールの併用で中毒症状を起こして入院したということだった。

警察は、科学的な分析を外部へ依頼。その結果、市販の風邪薬に含まれている「アセトアミノフェン」とアルコールを大量に服用すると「肝障害を起こして死亡に至る」危険性があるという事実を掴んだ。そこで、Aさんの毛髪を調査した結果、大量のアセトアミノフェンが検出されたのだ(その後の公判では、トリカブト毒を饅頭に混入して食べさした事実も発覚する)。

AさんBさんら他の保険金を掛けられた人達も、森田の飲食店(八木が実質的なオーナ)で風邪薬を栄養剤だと騙され、薬と併用してアルコールを多量に飲んでいたという証言者が多数いたことから、ついに本庄署は、八木ら4人を逮捕するに至った。

−パフォーマンス−
八木は、朝や午後のモーニングショー、ワイドショーに連日出演。森田の経営するスナックで、キックスクータに乗って見せたり、「毒物は絶対に出てこない」などと発言したり、連日パフォーマンスを繰り返していた。お茶の間劇場という言葉が流行ったのも、この事件がきっかけと言われた。この連日のTV出演は、実に240回にわたり、しかも各報道関係から出演料も取っていたというから呆れるばかりだ。

−死刑確定−
八木は、事件の関与を否定し無罪を主張し続けていたが、平成20年7月17日最高裁は一審、二審の死刑判決を支持して八木の上告を破棄。八木に死刑が確定した。


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