日本プロ野球黒い霧事件

−経緯−
昭和44年11月28日、日本プロ野球コミッショナー委員会(宮沢俊義委員長等3名)は、西鉄ライオンズ(現西部ライオンズ)の永易将之投手(当時27歳)を、日本プロ野球から永久出場停止(永久追放)すると発表した。日本プロ野球初の厳しい処分に野球ファンは驚くが、その後の大事件勃発は野球ファンのみならず社会に衝撃を与えた。正に、日本プロ野球の存亡の危機に発展していった。

−きっかけ−
この年、報知新聞担当記者は、西鉄のカール・ボレス野手から、「チームにわざと失策する選手がいる」という話を聞いた。この噂は、数年前からアンダーグラウンドではあったものの、現役選手からの生の声に驚いた担当記者は親会社の読売新聞と共同で調査を開始した。その結果、「野球賭博、暴力団から金もらう。好球投げ(相手チームに)、自軍には三振たのむ」と社会面にトップでスクープした。

これを受けて、日本プロ野球コミッショナー委員会は、永易本人に直接取り調べたところ、「暴力団関係者から、わざと試合に負けるよう持ちかけられて、それを実行した」と事実を認めた。その結果、コミッショナーは敗退行為(八百長)を行ったとして永易に前述の処分が下ったのだった。

−球界に激震/処分対象者は数十名に−
当初、西鉄球団は永易投手一人による個人的な暴力団とのつながりにおける不祥事として処理しようとしていた。ところが、翌年の昭和45年4月に永易は週刊ポストとの単独インタビューに応じて、八百長行為を行ったのは自分だけではないと主張。西鉄のエース池永正明(当時23歳)、村上捕手など6人も加担していたと告白。その録音内容がフジテレビの深夜番組で放送されると世間に衝撃が走った。まさに、組織ぐるみの八百長行為であったことが暴露されたのだった。

更に、オートレースの八百長行為にプロ野球選手も加担していたと、小型自動車競走法違反容疑で書類送検されたオートレース選手からも告白があり、元西鉄の田中勉、元大洋ホエールズ(現ベイスターズ)の高山勲、暴力団準組員らが逮捕された。もはや、暴力団との関係、それに関連した八百長は一球団だけの話では無くなった。球界全体を揺るがす不祥事に発展したのだった。

−処分−
永久追放 球団名(当時) 氏名 罪状
同上 西鉄 永易将之投手 敗退行為
同上 同上 池永正明投手 敗退行為依頼受けと現金授受
同上 同上 与田順欣投手 敗退行為と勧誘
同上 同上 益田明雄投手 同上
同上 東映 森安敏明 同上
同上 中日 小川健太郎 オートレース八百長参加
同上 中日 田中調投手 オートレース八百長参加と勧誘
同上 大洋 高山勲投手 同上
同上 南海 佐藤公博投手 同上
1年間野球活動禁止 西鉄 村上公康捕手 敗退行為勧誘を受け報告せず
同上 同上 船田和英内野手 同上
戒告処分など 9人 9人以外にその他球団職員なども処分

−その後の復権−
平成17年4月25日、その後の協約改正を受けて池永らは復権を果たした。だが、当時の池永は、300勝間違いなしと言われた若きエースだった。彼自身は、八百長に加担していなかったものの、先輩に乞われて現金を一時預かったのが、それからの人生を台無しにしてしまった。

大投手の復活です!


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