中国製餃子食中毒事件

-経緯-
平成19年12月28日、千葉市稲毛区の家族2人が中国製餃子を食べた直後に激しい嘔吐やめまいを訴え、内1人が入院した。8日後の平成20年1月5日には、兵庫県高砂市の家族3人が同様に中国製餃子を食べた直後に食中毒症状に陥った。更に、1月22日には、市川市の家族5人が同様に食中毒症状に陥り、5歳の次女が意識不明の重体(その後、快方に)、4人が重症を負った。

事態を重く見た千葉、兵庫両県警は、食中毒に至る経緯を中心に捜査を開始した。その結果、千葉市、市川市のケースは「手作り餃子40個入り」、兵庫県のケースでは「手包みひとくち餃子20個入り」を食べた直後に食中毒を起こしていたことが判明。いずれの餃子も、日本たばこ産業のグループ会社であるJTフーズ社(ジェイティーフーズ株式会社)が中国の天洋食品廠公司(河北省)から輸入してコープ(生協)やスーパーに卸した餃子であったことが判明した。

更に、残った餃子を検査した結果、有機リン系農薬である「メタミドホス」が検出された。メタミドホスは、殺虫剤の含有成分で、中国では農薬として使われているが日本では認められていないため極めて入手が困難な農薬であった。ちなみにメタミドホスの致死量は成人の体重60kgで約1.8gであり、極めて毒性の強い薬品である。このため、千葉県警は、殺人未遂事件として捜査を強化した。

1月30日、これを受けて厚労省がJTフーズ社をはじめ輸入業者に天洋食品の販売中止と輸入自粛を要請。JTフーズ社では直ちに対象となる製品の回収を始めた。

-予想通りの中国側の態度-
警察は、天洋食品から出荷後に国内の生協やスーパーの棚に陳列される間にメタミドホスを混入させる機会は殆ど無く、また国内での入手は困難であることから、天洋食品の製造過程で混入した可能性が極めて大きいとして中国当局に捜査の協力を要請した。

すると、中国政府や公安部は「毒薬を混入する機会は日中相互にある」と反論。天洋食品側は、「この2年間で基準を超えた残留農薬が検出されたことはない」。「もしろ我々が被害者だ」とコメント。予想通りの中国側の態度で捜査は杳として進まなかった。日本政府も、相変わらずの弱腰で当時の福田首相は、中国側の実験(注1)を「中国側も前向きの姿勢だ」と評価して国内で非難を浴びた。

注1:中国側は、餃子の袋の外からメタミドホスが浸透することを実証しようと、穴の開いた餃子の袋で浸透実験を行なった。すなわち、製造過程ではなく流通の段階でも混入させることはできると言いたかった。言い換えれば、日本国内の流通の段階で毒物の混入ができることを実証しようとした。

-謝罪という言葉を知らない中国-
結局日中の主張は平行線のまま事件は迷宮入りと思われた。この間、中国側は日本の米の輸入を中止したりと相変わらずの圧力を日本政府にかけていた。ところが、同年8月6日から12日にかけて、中国政府が国内で回収した天洋食品の餃子を食べて4人が食中毒を起こしたと発表した。しかも、回収した餃子を横流しして流通させた餃子だった。これで、日本国内でメタミドホスを混入させた可能性は否定できないと主張していた中国当局の根拠は崩れ去った。

-犯人逮捕-
平成22年3月26日までに、天洋食品の臨時工、呂月庭(当時36歳)の身柄を拘束した(後、4月3日に危険物質投与容疑で逮捕)。呂月庭は、妻と同社で勤務していたが、正社員として雇ってくれなかったことに恨みを持ち、メタミドホス入りの注射針を餃子の包装に突き刺して混入させたと自供した。

事件解決までに実に2年以上を費やした。その間、中国政府は中国側には問題は無いと主張をし続けていた。そのツケが自国民の食中毒に行き着いてしまったのはコントを見ているようだ。あれから、今日まで中国側の正式な謝罪は一度も聞いたことが無い。


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