荒川区自転車連続通り魔事件

-経緯-
昭和34年1月21日から27日にかけて、東京都荒川区で自転車に乗った若い男が、無差別に通りがかりの婦女子を刃物で切りつけるという殺傷事件が連続で発生した。荒川区は勿論のこと、都内では不安と恐怖で騒然となった。

最初の犯行は、1月21日午後5時から7時にかけて婦女子が自転車に乗った若い男に追い越しざまにカミソリで肩や衣類を切られるという傷害事件だった。この時は、被害者も軽傷であったことから警察に通報する人はいなかった。しかし、このことが犯人を益々エスカレートさせたのか、この第一の犯行から1週間後には、凶器がカミソリから鋭利な小刀になっている。

1月27日の午後7時前、本屋に行く途中の戸部歌子さん(仮名/当時17歳)は、後ろから走ってきた自転車に追い越しざまに小刀で胸を切りつけられた。戸部さんは、気丈にも犯人を追いかけたが200メートル先で見失った。その後、戸部さんは病院に搬送されたが全治1ヶ月の重傷を負った。

その40分後には、荒川区立中学3年生の田代良子さん(仮名/当時15歳)が同様に襲われて、なんとか自宅の玄関にたどり着いたが、左胸の出血が致命傷となり搬送先の病院で死亡した。結局、この日だけで10人が襲われて、内、1人が死亡、3人が重傷という大事件に発展した。

町内では、自警団を組織して警戒するとともに、女性の一人歩きを自粛するよう呼びかけた結果、町内は静まりかえってゴーストタウン化した。更に、被害にあった女性宅に、犯人からと思われる脅迫状が届けられ、「あまり騒ぐな・・・」という内容が公表されると、荒川区のみならず東京都内に不安と恐怖が走った。

-迷宮入り-
被害者の年齢は8歳から27歳で、21日から26日にかけて11人、27日には死亡した田代さんをはじめ10人が襲われ合計21人が被害にあったことが警察の捜査で判明した。犯行時間は、いずれも午後5時から8時前であった。また目撃者の証言から、犯人は黒っぽいジャンバーを着た16歳前後の就労している少年のようであったとの情報を得た。

そこで、捜査本部は同地区の有職者で非行歴のある少年に的を絞って聞き込み調査を開始した。その中で、自営業の三男(当時17歳)が捜査線上に浮上したが、その後シロと断定された。それ以降、犯人の行方は杳としてつかめず、昭和49年に時効が成立。真犯人は、闇の向こうへ消えて行った。


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