名古屋・闇サイト殺人事件


-経緯-
平成19年8月24日午後3時頃、名古屋市緑区のレンタルビデオ店駐車場に、新聞販売店勤務の神田司(当時36歳)と無職の川岸健治(当時40歳)、無職の堀慶末(よしとも/当時32歳)の3人が集合した。この3人は、携帯の闇サイト「闇の職業安定所」で知り合った仲間で、互いに偽名を名乗っていた。

駐車場に集まると、神田が若い女性を拉致して強盗をしようと提案。2人は賛同し、早速車に乗り込み物色を始めた。名古屋市内を走り回り、数人の女性を追尾したが機会が無く断念。午後10時過ぎ、同市千種区の路上で、帰宅途中の会社員・磯谷利恵さん(当時31歳)を見かけると、3人は道を尋ねる振りをして、車に無理やり押し込み手錠をはめた。

3人は、恐怖に慄く磯谷さんから現金約6万円とキャッシュカードなどを奪った。更に、日付が変わる25日午前0時頃、愛西市の駐車場で、「殺さないで」と哀願する磯谷さんに非情にも粘着テープを頭部に巻き、ビニール袋をかぶせてハンマーで滅多打ちして殺害。遺体を岐阜県瑞穂市の山中に埋めて逃走した。

犯行後、3人は奪ったキャッシュカードで現金を引き出そうとしたが、磯谷さんから聞き出した暗証番号が虚偽だったため失敗。すると、3人は、次も女性を拉致して金を奪おうと協議して別れた。同日午後1時頃、川岸が「このままでは死刑になる」と恐れて警察に通報し犯行が発覚。同日午後7時頃、愛知県警が磯谷さんの遺体を発見。川岸の供述から神田、堀を逮捕した。

-死刑と無期-
名古屋地裁の公判では、互いに責任のなすり合いをしていたが、平成21年1月20日検察側は3人に死刑を求刑。同年3月18日の判決で、神田と堀に死刑判決。「死刑になりたくない」との理由から、警察に出頭した川岸に対しては自首と認定し無期懲役の判決を下した。3人は、いずれも控訴したが、同年4月13日に神田は控訴を取下げて死刑が確定。また、検察側も川岸の無期懲役は不服だとして控訴した。

この事件は、現在のIT社会の暗い部分をクローズアップした。日頃、インターネットや携帯電話などIT機器の恩恵で便利な社会になった一方、互いに素性も知らない者同志がその時の勢いで安易に犯罪を犯してしまう構図が生まれた。

この事件の場合、携帯サイトの「闇の職業安定所」というサイトに、まず川岸が犯罪仲間を募集。それに応えて堀、神田らが加わった。そして、互いに虚勢を張りながら、なんら落ち度の無い女性を殺害してしまった。ほとんど反省の態度がみられない被告等に対して遺族はもとより社会でも怒りが高まった。


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