サレジオ高校首切り殺人事件


−経緯−
昭和44年4月23日、神奈川県内の私立サレジオ高校1年のA(当時15歳)と同級生のB君(同)は、放課後に近くの丘陵地へ行った。そこで遊んでいるうち、AがB君に万引きしたナイフを見せた。だがB君はナイフに関心を示さず、「お前の顔は豚に似ているな」と言った。すると、Aは今まで見下げられ、いじめられたことに対する怒りがこみ上げてきて、B君の背後からナイフで首を刺した。

B君が驚いて振り向くと、Aは夢中でナイフを振り回して滅多刺しにした。倒れたB君が起き上がるのを恐れたAは、その後ナイフでB君の首を切断。更に切断した首を蹴っ飛ばした。そして、Aは自ら自分の肩にナイフを刺して暴漢に襲われたという偽装工作をして、近くを通りかかった車の運転手に「不良3人組に襲われた」と告げた。通報を受けた警察は直ちに現場へ急行。現場検証及びAから事情を聞いた。

翌々日の25日、Aは父親と同行して警察署の取調室で事情聴取を受けた。更に、父親が帰った後の取り調べで、AはB君殺害の犯行を自供した。

−いじめが動機なのか−
サレジオ高校は有名進学校で、中学から高校の一貫校。2人は中学生の時からの付き合いだった。だが、Aは、B君から辞書を取られて毛虫を挟まれたり、新しい靴を踏まれたり投げられたり苛められていた。そのいじめが日々募り犯行に至ったと言われている。Aは家庭裁判所によって、精神鑑定などを受けた後、中等少年院に送致が決定。

その後のAは、少年院を退院後、大学、大学院を経て司法試験に合格。平成12年頃に弁護士になった。一方、B君の遺族は苦労の連続で崩壊寸前という。更には、Aの父親がB君の遺族と取り交わした示談金を、40万円支払った段階で他界。いまだに680万円余りが未払いのままだという。被害者が報われず、加害者が弁護士という聖職に就いているというこの現実に割り切れない思いが残った事件である。

この事件は、「心にナイフをしのばせて(文藝春秋)」奥野修司著に詳しい。


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