東京農大シゴキ事件


−経緯−
昭和40年5月22日東京農大一年生の和田昇(当時18歳)さんがワンダーフォーゲル部のシゴキで死亡した。和田さんは、ワンダーフォーゲルの登山訓練で奥秩父山中にて練成中、30キロの荷物を背負って3日間歩かされ、一行から遅れると上級生から靴で足や尻を蹴られた。健脚のベテランでも8時間かかるコースを和田さんらは5時間で駆けさせられた。このため意識が薄れてきて行進中に倒れると、木の杖で上級生から胸や背中など強打された。

22日、下山して立川駅に着くと和田さんは意識が朦朧となり上級生が和田さんの自宅に電話で迎えに来るよう連絡した。
迎えに行った家族は和田さんの症状を見て練馬病院に入院させたが肺損傷、肺水腫を起こし肺炎症状による呼吸困難に陥り吐血しながら死亡した。死亡した和田さんの他、同じ一年生の2人が重体、25人がケガを負った。

練馬署は同部の監督・会社員(当時25歳)、同部主将(当時21歳)ら上級生8人を逮捕した。取調べに監督らは「自分達も一年の時から同じ訓練を受けてきた」と弁解したが、翌41年6月、東京地裁で監督、上級生ら7人に有罪判決を言い渡した。

−無念−
当時、農大ワンゲル部の事件は氷山の一角と指摘されるほど大学の体育系部活動のシゴキは厳しかった。
「昔、陸軍、今ワンゲル」というキャッチコピーまで流行した。
それにしても、東京農大という栄えある大学に意気揚揚と入学した和田さんの気持ち、遺族の気持ちを考えると何ともやり切れない事件であった。


ホーム

inserted by FC2 system