自殺サイト殺人事件

−経緯−

平成17年2月19日午後10時頃、大阪市河内長野市の駐車場で派遣会社社員の前上博(当時35歳)は、自殺サイトで知り合った大阪府豊中市の無職の女性A子さん(当時25歳)を一緒に自殺しようと誘い出し、A子さんの手足を縛った上で、レンタルしたワンボックスカーの車内で窒息死させた。その後、あらかじめ掘ってあった河原の穴に遺体を遺棄した。

−異常な性癖−
前上は、中学生の頃、推理小説の場面に出てきた゛苦しんでもがきながら窒息死するシーン゛に性的興奮を覚えた。以来、地元の小中学生に首を絞めるなど窒息させる行為を繰り返していた。大学を中退後、職を転々としながらも性癖は益々エスカレートしていく。そこで、窒息させる対象者を捜し出すため自殺サイトの掲示板にのめりこんだ。

A子さんは、平成10年頃からひきこもり状態となり病院へ入退院を繰り返していた。その後、A子さんは自殺願望が強くなり自殺サイトへの書き込みを頻繁にするようになった。その書き込みを見た前上が「一緒に練炭自殺しよう」とメールを送ったのがきっかけで前上とA子さんは頻繁にメールを交換するようになった。

犯行当日、前上はレンタカーを借りた後、大型量販店でガムテープやビニールテープなど殺害に使う道具を買い揃えてA子さんと待ち合わせしていた場所へ向かった。A子さんと合流した前上は、車を山中の駐車場へ走らせた。駐車場に着くと、前上はA子さんを後部座席に移動させて手足をガムテープで縛り上げ、シンナーを染込ませたガーゼで何回も失神させ、その間に口、鼻の穴を塞いで窒息死させた。この時、もだえ苦しむA子さんを見て興奮した前上は、翌日穴を掘り起こしてデジタルカメラでA子さんの遺体を撮影するなど残忍かつ異常な行為を行った。

―第二、第三の犯行―

A子さん殺害に味をしめた前上は、第二、第三の犯行を繰り返した。第二の犯行は、中学3年生の自殺願望のB少年(当時14歳)だった。同年5月21日JR南田辺駅でA子さんと同様に誘い出し窒息死させた。その後、B少年の身元がばれないように衣服を剥ぎ取って死体を遺棄した。更に、前上はB少年の父親に電話をかけてICレコーダに録音した音声で、身代金300万円を要求した(だが身代金の受取りは失敗に終わった)。

第三の犯行は、同年6月10日で大学生のCさん(当時21歳)を同様に誘い出して窒息死させ遺体を山林に遺棄した。前上は、2月から6月の僅か4ヶ月間に3人の尊い命を奪った。

―死刑確定―

同年8月5日、前上はA子さん殺害の容疑で大阪府警に逮捕された。警察の取り調べて前上はA子さん殺害を素直に認めると同時にB少年、Cさんの殺害も自供した。平成19年3月28日大阪地裁は前上に死刑を言い渡した。

これに対して前上は「死をもって償うしかない。半年以内に手続きを終えて欲しい」と訴え、判決確定後すみやかな死刑執行を訴えた。同年7月5日、前上は本人の意思で控訴を取り下げたため死刑が確定した。平成21年7月28日大阪拘置所で死刑執行。


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