大阪姉妹殺人事件


−経緯−
平成17年11月17日午前2時30分頃、大阪市浪速区にあるマンションの部屋に不法侵入した無職の山地悠紀夫(当時22歳)は、仕事を終えて帰宅した上原明日香さん(当時27歳)の胸をナイフで刺して暴行を加えた。その直後、姉に続いて帰宅した妹の千妃路さん(ちひろ/当時19歳)も同様にナイフで刺して暴行を加えた。

山地は、瀕死の状態であった明日香さん姉妹を横目にベランダでタバコをゆっくり吸った後、ナイフで姉妹のとどめを刺した。その後、金員を物色し放火して逃走した。

大阪府警は、殺人事件と断定し捜査を開始した。すると、侵入経路と思われるマンションの外壁や配水管などから犯人と思われる指紋が検出された。この指紋から、犯人は以前母親を金属バットで殺害し2年前の平成15年10月に中等少年院を仮退院していた山地であることが判明。直ちに、山地の行方を追ったところ、翌月の12月5日に犯行現場から約500メートル離れた神社の境内にある倉庫で寝泊りしていた山地を発見し建造物侵入罪の容疑で逮捕した。

山地は警察の取調べで「母親を殺した時の感覚が忘れられず、人の血をみたくなった。誰でもいいから殺そうと思った」などと自供したため同月19日に強盗殺人容疑で再逮捕した。

―母親殺害―
山地は、中学卒業後の平成12年7月29日、山口市内の自宅アパートで母親(当時50歳)を金属バットで殺害して中等少年院に送致された。その後、平成15年10月に仮退院してから地元のパチンコ店に勤めたが、人間関係でうまくいかず各地のパチンコ店を転々とした後、パチスロ機から不正にコインを引き出すグループに入り大阪にやってきた。結局、このグループともうまくいかず、犯行の数日前からグループを離れて近くの境内や公園などに野宿をしていた。

―死刑判決―
山地は、起訴事実を全面的に認めたが、弁護側は「犯行時、心神衰弱状態にあった」として無期懲役を訴えていたが、平成18年12月13日、大阪地裁は「周到な計画性が認められ、犯行現場に放火して証拠隠滅を工作するなど合理的に物事を考え行動する能力があった」としてこれを退け、「改善更生の余地は無い」と断じて山地に死刑を言い渡した。

これに対して弁護側は控訴したが、平成19年5月31日、山地自ら控訴を取り下げて死刑が確定した。この間、弁護人に「生きていても仕方がない」と語り、被害者や遺族に対しては「何もありません」と供述し、謝罪や反省の弁はまったくなかったという。平成21年7月28日大阪拘置所で死刑執行。


ホーム

inserted by FC2 system