広島・教え子殺人事件


−経緯−
平成2年3月26日午前9時頃、広島県安浦町立の小学校教諭・川内武(仮名・当時38歳)は、教え子のA子さん(当時12歳)宅にマイカーで訪ねた。両親はすでに出勤しており、春休みで留守番をしていたA子さんが玄関に出てきた。川内は、A子さんを言葉巧みに誘い出し、車の助手席に乗せ3キロほど離れた海岸で、A子さんの首を絞めて殺害した。A子さんは、3日前の23日に小学校の卒業式を終えて、中学進学に夢を膨らませていた矢先の出来事だった。

川内は、A子さんの遺体を乗せたまま東広島駅まで行き公衆電話から妻へ、「教え子を殺してしまった」と連絡した。驚いた妻は、警察に通報するとともに東広島駅へ向かった。一方、通報を受けた西条署は直ちに緊急配備した結果、広島駅付近で不審な車を発見。警察官が車内を覘くと女児の遺体を確認したため川内を殺人容疑で緊急逮捕した。

−動機−
川内は専修大学を卒業後、通信教育で小学校教員免許を取得。呉市内の2つの小学校に勤務したあと、昭和62年から同町立小学校で教鞭をとっていた。妻と2人の子供にも恵まれ、家庭内での問題は無かった。また、学校では゛教育熱心な先生゛として父兄や生徒の間でも評判は良かった。

ところが、前年の平成1年秋頃から、「川内先生が教室で女の子にいたずらしている」との噂が広がり始めた。この噂は、益々拡大したため、学校及び町教育委員会でも放置するわけにいかず、内偵を始めた。その結果、その噂はほぼ事実であることを突き止めた。特に、川内が目をかけていたのがA子さんだった。A子さんは、川内からキスされそうになったり胸を触られるなどして精神的、肉体的苦痛を受けていた。

平成2年3月23日の卒業式が終わった後、教育委員会は川内を呼び出し事情聴取した。その結果、川内はその事実を認めたため翌24日付けで自宅謹慎処分を行った。また、川内は同日付けで顛末書と辞表を提出した。その2日後にA子さん殺害事件が起きた。

川内は、警察の取調べで、「自分の軽率な行為で、生徒の将来も闇になった。妻子にもひどい仕打ちをしてしまった。こうなれば、生徒を殺して自分も死ぬ以外に方法はないと思った」と身勝手な理由を供述した。

A子さんが遺した卒業式の寄せ書きには、「将来の夢は教師になること」と書いてあったという。


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