国松警察庁長官狙撃事件


−経緯−
平成7年3月30日午前8時30分頃、国松孝次警察庁長官が登庁するため東京都荒川区南千住にある自宅マンションの玄関から出た瞬間、突然何者かに狙撃された。4発発射された銃弾のうち3発が国松長官に命中、長官は玄関前に倒れた。出迎えにきていた秘書官や運転手が救急車を手配し長官は病院に搬送された。一時意識不明の重体に陥ったが医師団の懸命の治療で意識が回復。その後、リハビリテーショーンを経て現場に復帰した。

警察は、自らの最高トップが狙撃されたことに驚愕と同時に面子にかけて最大級の捜査を指示した。これを受けて警視庁と南千住署は特別捜査本部を設置して現場検証及び地域住民の聞き取り調査などを開始した。

−現場検証−
事件当日は小雨模様の曇天だった。このため、いつもより人通りは少なかった事、通行人も傘を差していたため視野は狭く有力な目撃情報が得られなかった。一方、国松長官を出迎えに来ていた秘書官や運転手の証言によると、犯人は年齢30〜40歳で身長170センチ以上、白マスクと黒っぽい帽子、黒っぽいレインコートとズボンを着ており、長官狙撃後自転車でJR南千住駅方面に逃走したという。

捜査本部は現場で発見された弾丸から38口径でピストルはリボルバー(回転式)と断定した。さらに現場には韓国の10ウォン硬貨と北朝鮮のバッジが見つかった。この北朝鮮バッジは゛朝鮮人民軍゛と記載されていた。

捜査本部は、捜査をかく乱するためバッジを落としたのか或いは犯人が不覚にも落としていったのか断定はできないものの、常識から見て犯行を実行する際にバッジを着けていることは考えにくいことから、意図的に現場に残したものと推定した。

この事件の10日前、国内のみならず世界中が震撼した「地下鉄サリン・オウム真理教事件」が発生していた。このため、誰もがオウムの犯行なのではと疑い、当然警察も゛オウム真理教゛の犯行と見て捜査をすすめた。

−警察内部犯行説−
捜査本部が懸命の捜査をしたが犯人の行方は杳として掴めなかった。そんな中、現職の警視庁警察官でオウム信者である小杉敏行巡査長が「自分が長官を狙撃した」と告白した。驚愕した警視庁は小杉巡査長を24時間体制で管理下におき、゛証言そのものを無かったもの゛にする工作をしたが、内部告発で発覚。激怒した警察庁が、「ピストルは神田川に捨てた」という小杉巡査長の供述に従って、ダイバーが神田川に潜ってピストルを捜したがついに発見はできなかった。

−迷宮入りか−
事件から9年後の平成16年7月7日現場に残されていた10ウォン硬貨に付着していたDNAと小杉元巡査長のそれが一致したとして彼を含むオウム信者4人を逮捕した。だが、取り調べで事件につながる要件は何もでてこなかったため9月には不起訴処分となった。

本事件は、刑事部と公安部との確執が捜査のかく乱を起こしていると指摘する声が多い。このため捜査も一枚岩という訳にはいかず、通常の刑事捜査と思想犯を重点におく公安捜査がまっく異なるベクトルで捜査をしている点で迷宮入りになる可能性が極めて高い。

現状推定される犯行説は以下の5点であ。
@小杉元巡査長犯行説
Aオウム真理教の平田信説犯行説(指名手配中。高校時代射撃でインターハイ出場経験あり)
B暴力団関係者説
C北朝鮮工作員説
D過激派説

だが、いずれの場合も推定にすぎず、真相はいまだに闇の中にある。


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