中国人・川崎6人殺傷事件


−経緯−
平成11年5月26日午前10時頃、神奈川県川崎市のマンション管理人から、「エレベータで、男が血まみれになって倒れている」と警察に通報があった。所轄署が現場に急行すると、エレベータ内に倒れている男は中国福建省出身のA(当時35歳)という男で、警察官に「1005号室で男数人に襲われた。被害に遭った男女5人はまだ部屋にいる」と供述した。

そこで、警察官が1005号室に入ったところ、男女5人が全身を粘着テープで縛られ、胸などを刃物で刺されて倒れているのを発見した。その内、中国人夫婦の夫B(当時30歳)と妻C子(当時27歳)、それに別の中国人男性D(当時23歳)の3人が出血多量ですでに死亡していた。香港出身のE(当時42歳)と他1人の中国人、エレベータ内で救出されたAの3人が重症を負った。

警察は、殺人事件に切り替えて本格的な捜査を開始した。まず剖検では、死亡した男女3人は鋭利な刃物で十ヶ所前後刺されており、死亡推定時間は前日の26日午前0時頃と判明。聞き込み捜査でも、隣室の住民などから同時刻に男女の悲鳴や争う怒号が聞こえたという証言を得た。

捜査本部は、被害者が全て中国人であることから同胞のトラブルと見て関係筋をあたった。すると間もなく、中国福建省の出身者で構成する犯罪グループ「清龍会」が浮かび上がってきた。その関係者を追っていくうち、中国籍の陳徳通(当時31歳)が犯行に関わっていることが判明したため、6月12日に清龍会が出入りしていた都内のアパートを家宅捜査するとともに、陳を殺人容疑で逮捕した。さらに陳の親類で共犯の同グループ7人を逮捕した。捜査本部は、余罪があるものとみて更に厳しく追求した結果、平成10年7月以降、都内や千葉県下で強盗、強姦、逮捕監禁、窃盗など25件の犯行も同グループが関与していたことが判明した。

−犯行動機−
川崎のマンションの借主は殺害された中国人夫婦だった。この夫婦は、中国人相手に仕事の斡旋や金融業を不正におこなっていた。このため、職を探しに中国人が連日同マンションに出入りしていた。

陳は、この夫婦が多額の金を持っているとみて、中国人で親類の7人と共謀し強盗を計画した。5月26日、同マンションに入り込み、居合わせた男女6人を粘着テープで縛り金を要求した。だが、実際に手に入れたのは現金5万円足らずだった。そこで陳等は、中国人夫婦から巻き上げたキャッシュカードで金を引き出すことを考え翌朝まで6人を監禁した。翌26日の9時に共犯者が銀行に出向いて残高確認をすると僅か数千円しかないことがわかった。これに激怒した陳は、サバイバルナイフで男女5人を次々にメッタ刺しして逃亡した。

−死刑確定−
平成13年3月22日横浜地裁川崎支部は陳に死刑を言い渡した。平成15年2月20日東京高裁は一審を支持して陳の控訴を棄却。平成18年6月22日最高裁は「犯行の凶悪性、残虐性などに照らせば、被害者側が被告に暴力を加えた落ち度を考慮しても刑事責任は極めて重大で、死刑との判断を是認せざるを得ない」として、陳の上告を棄却し死刑が確定した平成21年7月28日東京拘置所で死刑執行。


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