青森・憑きモノ殺人事件


−経緯−
昭和45年12月8日、青森県津軽郡蟹田町の大工見習・山中正義さん(仮名・当時18歳)は、突然母親(当時47歳)から「ムジナ出て行け!正義を返せ!」と言われ、顔、頭、腹部を拳で殴られたり、首を絞められた。

正義さんは「何をするんだ!」と必死で抵抗したが、母親が父親を加勢させ布団に包んで押さえ込んだ。正義は、もがき苦しんでいたが1時間後にはまったく動かなくなった。

そこで、両親が布団をめくると正義さんが窒息死していた。母親は、これを見て「ムジナは逃げたが、逃げる時に正義の命も持っていった」と嘆き、泣き出した。両親は午後9時頃、警察署に「長男を殺してしまった」と出頭した。

−イタコのお告げ−
正義さんは昼間は父親の大工仕事の見習いとして働き、夜は定時制高校へ通う真面目な青年だった。同年11月20日から自動車免許を取得するため自動車学校に通うようになった。その頃から体の不調を訴えるようになった。

母親は当初、大工仕事と通学が重なり疲労が溜まったのだろうと、大工仕事を休ませていたが、正義さんの体調は一向に治らず激しい頭痛が毎日続いた。このため、町の診療所で診察してもらったが、特に悪いところは見当たらなかった。だが、医者は視力の低下が原因ではないかと視力検査したところ両眼とも0.4だった。この結果、頭痛は視力低下によるものと診断された。

しかし、母親はこの診断を信じなかった。そこで、知り合いのイタコ(招霊術師)のところへ正義さんを連れて行った。イタコが呪文を唱えると、やがて「正義はバイクに乗って走っておる。その背中に黄色いムジナが貼り付いておる。正義には魔物が憑いておる。正義を抱いて一緒に寝てやるのじゃ。そして、魔物を追い出せば治る」と託宣した。

そして12月8日、母親は父親と長女(当時16歳)に、「これからムジナを追い出す。あんたたちは、わしの腰につかまっておれ、逃げる魔物に取り憑かれんようにしろ」と言って、就寝中の正義さんに向かって拳を振り上げたのだった。

人類が宇宙へ行く時代になった今日でも、悪魔払いの儀式として「藤沢・悪魔払い殺人事件」、「福島・悪魔払い殺人事件」など類似事件が続いている。むしろ、本事件は特異な事件ではないのかもしれない。


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