芦屋市幼児誘拐事件


−経緯−
昭和60年3月8日の未明、兵庫県芦屋市のAさん方に男が侵入し母親にエーテルをかがせて、隣に寝ていた昌範ちゃん(当時6歳)を誘拐した。父親が物音に気づき犯人を追ったが、既に車で逃走した後だった。

Aさんから、110番通報を受けた芦屋署は緊急配備を行ったが手掛かりは掴めなかった。事件当日の午前10時過ぎに犯人から最初の身代金要求の電話がかかった。犯人は身代金5000万円を要求し、午後8時15分に中国自動車道の西宮北インターまで来いと脅迫した。

午後8時に父親が現金5000万円を用意して車で出発。捜査官は犯人に気付かれないよう後を尾行した。西宮北インターに午後8時33分に着いたが犯人は見当たらなかった。そこへ犯人からAさん宅に「社パーキングエリアの電話ボックスを見ろ」との電話があった。父親は急いで社パーキングに向かった。

社パーキングの電話ボックスにメモがあった。それによると、「西宮北インターを降りて一般道の公衆電話を見ろ」と書いてあった。更に、公衆電話から「長尾バス停ベンチ下を見よ」、「バックをベンチに置いて立ち去れ」と犯人の指示するメモが発見された。

午後10時40分、バス停付近に張り込んでいた捜査官も予想外だったのだが、犯人は高速道路の反対側上り車線から高速道を横切って渡り初めた。その瞬間、大型トラックの急ブレーキの音がこだました。犯人は、大型トラックに轢かれ即死状態だった。

捜査官は、轢かれた男の持ち物からAさん宅の電話番号のメモを発見。誘拐犯人と断定し所持していた免許証から岡山県のトラック運転手・保田定美(当時26歳)であることが判明した。

−犯人しか知らない幼児の行方−
捜査本部は慌てた。犯人が即死したため、幼児の行方を聞き出すことが出来なくなった。もし、共犯者がいたら追い詰められた心境から幼児を殺害してしまう恐れもある。また、単独犯としても幼児へのケアが手遅れとなり死につながる可能性がある。

兵庫県警は、その後犯人からの脅迫電話が無いことで「保田の単独犯行」と断定し公開捜査に踏み切った。一方、2000人の警察官を動員して付近を徹底的に捜索した。その結果、翌日の3月9日午後1時34分、神戸市北区の駐車場に停めてあったトラックの運転席で昌範ちゃんを発見し無事保護した。


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