ペンフレンド殺人事件


−経緯−

昭和52年6月24日深夜、広島県安芸・宮島のホテルで山形県山形市の農協職員・高野利子さん(当時18歳)が全裸で絞殺されているのが発見された。警察はホテル従業員らの証言から利子さんとは別室で宿泊していた若い男が利子さんと一緒にいたことを掴み男の行方を追った。

この男は、広島県の機械修理工・美川保(仮名・当時20歳)で犯行から8時間後に逮捕された。周囲を海に囲まれた宮島で夜から朝にかけて本土に戻る定期船は無く、小さな島で逃げられるはずも無かった。

美川はこれ以前にも10件の婦女暴行事件をおこしていたが、犯行当時は未成年であったため広島少年院送りとなっていた。退院後は瀬戸内海にある工場に勤めたが、同僚が文通リストを持っていて、美川は利子さんをはじめ3人にペンフレンドになって欲しいと手紙を出した。この3人の内、利子さんだけが美川に返信をしてきた。

−文通−
利子さんはこの年、高校を卒業したばかりで4月から農協に勤めた。希望に満ちた利子さんは遠方の瀬戸内海に想いをはせたのか、偶然にも職場の慰安旅行が広島県・安芸であったことからデートを申し入れる内容を書いて美川に返信したのだった。

美川は早速、利子さんと同じホテルに予約をして犯行当日、同ホテルを訪れたのだった。初めて会った2人は、美川の部屋で雑談やテレビを見たりしていたが、夜になって美川が利子さんに「話に飽きたので柔道でもして遊ぼうか」と襟首を掴んでいるうちに失神。このままでは、刑務所に入れられると思った美川は利子さんの首を絞めて殺し、ホテルから逃走したのだった。美川はホテルにあった自転車で宮島港へ急いだが、最終の定期船はすでに出航したあとだった。

−お棺船−
日本三景のひとつ安芸の宮島は歴史のある「神の島」として有名な観光スポットである。この神の島で初対面の男に惨殺された利子さんは、島に火葬場がないため慣例どおり死者を運ぶ「お棺船」に乗せられて対岸へ送られた。


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