栃木・女性教諭刺殺事件


−経緯−
平成10年1月28日、栃木県黒磯市の市立北中学校で3時限目の英語の授業を終えた直後、1年担任の腰塚佳代子教諭(当時26歳)と1年生のA少年(当時13歳)が廊下で口論となり逆上したAが隠し持っていたバタフライナイフで腰塚教諭の腹部を刺した。Aは倒れた腰塚教諭にナイフで10数ヶ所を刺し、動かなくなった同教諭に無表情で何回も足蹴りをした。

Aは前年の9月頃から膝痛のため好きだった軟式テニス部に参加できなかった。その頃から保健室へ頻繁に出入りしていた。この日も2時限後の休み時間中に仲間4人と保健室へ行って授業に遅刻した。そのため、腰塚教諭から注意を受けていた。さらに授業中に雑談を注意され、授業後Aは腰塚教諭から廊下に呼び出され「トイレに行くなら先生に言ってから行きなさい」と注意された。

そこで、2人は口論となった。「先生、何か悪いこと言った?」、「言ってねえよ」、「言ってねえよという言い方はないでしょう」、「うるせぇな」とAは制服の右ポケットに隠し持っていたバタフライナイフで腰塚教諭を刺殺したのだった。

−バタフライナイフ−
Aは酪農家の7人家族で育った。普段は好印象を与えるごく普通の生徒で補導歴も無かった。警察の事情聴取でも下を向きポツリポツリと答えていた。大好きなテニスに参加できず、ストレスがたまり心身が不安定になっていたため興奮を抑制できなかったことが原因とされた。

一方、腰塚教諭は指導熱心で責任感が強かった。平成8年に長男を出産したが「学校運営に差し仕える」と1年間取れる育児休暇を切り上げ、前年の平成9年4月に学校に復帰して教壇に立っていた。

2月24日宇都宮地裁はAを教護院送致と決定した。凶器となったナイフは、当時人気タレントの木村拓哉がテレビドラマで巧みに使いこなして大流行になった柄の部分が二つ折りで180度回転し刃を収納する折畳式の「バタフライナイフ」と呼ばれるもの。この時期、中学・高校でバタフライナイフを使った事件が全国で多発し社会問題となった。


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