空知・女性連続殺害事件


−経緯−
昭和47年5月6日午後8時過ぎ、北海道・空知管内月形町で帰宅途中のA子さん(当時19歳)が男に襲われ乱暴された。その後、男はA子さんの首を絞めて殺害し死体を全裸のまま遺棄して逃走した。

その3ヵ月後の8月19日午後8時過ぎ、砂川市で帰宅途中のB子さん(当時19歳)が行方不明となり、数週間後に新十津川町の山林で絞殺された全裸死体で発見された。

この女性連続殺人事件は、北海道警が懸命に捜査したが手掛かりはまったく掴めなかった。事件発生から2年後の昭和49年5月11日、砂川町の隣町の奈井江町でC子さん(当時40歳)が男に襲われて乱暴された。C子さんは傷を負ったが命に別状はなく犯人から置き去りにされた。警察に保護されたC子さんは、《犯人は作業服を着た機械関係風の中肉中背の男で、青っぽい車に乗っている》という証言を行った。

この犯人像を追って、道警は捜査を開始。2週間後の5月26日奈井江町の重機運転手・晴山広元(当時37歳)を婦女暴行の疑いで逮捕した。道警は晴山に対して本件と昭和47年に連続して発生した女性暴行殺人事件に関しても追及した。晴山は3件とも「身に覚えの無いこと」と容疑を否認したが、道警の厳しい追及により犯行を認める自供をした。

−謎が多い事件−
晴山は札幌地裁・岩見沢支部での一審で自白は強要されたものとして無罪を主張した。昭和51年6月24日の一審判決は殺意は無かったとして晴山に無期懲役を言い渡した。昭和54年4月12日札幌高裁は一審判決を棄却して晴山に死刑を言い渡した。平成2年9月13日最高裁は晴山の上告を棄却して死刑が確定した。

この事件は、晴山の自白だけで証拠が殆ど無い。弁護団は、晴山は無罪と主張し再審請求の手続きを開始した。その根拠として、@奈井江町の事件当時、晴山は右腕を骨折しており婦女暴行などできるわけが無いという点A月形町の事件で現場に残されていた血液型は数種類もあり犯人は複数と思われる点B砂川市の事件でB子さんの衣類についていた泥土が、晴山の自供した犯行現場とは異なる成分の土である点などである。

更に、弁護側が不審を抱いたのが、犯行現場に残っていたタイヤ痕が晴山の車と同一とされたが、何故か検証前に車が忽然と消えた点である。弁護団は晴山の車の返還請求訴訟を道警を相手どって札幌地裁に提訴した。

一方、検察側は唯一の証拠ともいえる現場に残されていたハンカチに付着した体液をDNA鑑定した結果、晴山と一致したとして晴山以外に犯人は考えられないと主張した。

晴山は再審請求棄却の異議申し立て中、平成16年6月4日札幌刑務所で癌により死亡した。享年70歳だった。


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