JT女性社員・逆恨み殺人事件


−経緯−

平成9年4月18日午後9時30分頃、JT(日本たばこ産業)の女性社員・鹿沼京子さん(当時44歳)が東京都江東区大島の自宅マンション4階エレベータホールで倒れているところを同じマンションに住む住民が発見した。鹿沼さんは、腹部など数ヶ所を鋭利な刃物で刺されており間もなく死亡した。

現場は血の海でマンションの階段から都営新宿線の大島駅に向かう道路に血痕が点々としているのが発見された。このため警視庁と城東署は犯人も負傷している可能性があると見て行方を追った。また、同マンションの聞き込みで男女の言い争うような声と女性の叫び声が聞こえたという証言を得た。

鹿沼さんは、同夜6時過ぎに渋谷区にある同社東京支店を退出したあと、友人5人とサークル活動に参加。その後、地下鉄永田町駅で友人と別れて帰宅したところを襲われた。

捜査本部では、通り魔的犯行と怨恨の両面で捜査を開始した。その結果、以前、鹿沼さんに告訴され実刑で服役していた男が最近になって出所していることが判明した。そこで、捜査本部は男の行方を捜索した結果、無職の持田孝(当時62歳)を殺人の疑いで逮捕した。

−逆恨み−
持田は平成元年12月に鹿沼さんに対して恐喝未遂事件を起こした。このことで、鹿沼さんは警察に告訴して持田が逮捕され、懲役7年の実刑で服役していた。持田は服役中、「警察に訴えられたことが悔しくて、出所したら恨みを晴らそうと思っていた」と供述した。犯行の2ヶ月前に出所した持田は復讐のため、鹿沼さんの帰宅を待ち伏せし刺殺したのだった。

この事件を重く見た警察庁は4月29日、再被害を視野に入れた凶悪事件の捜査を全国の警察に指示、再被害の恐れが高いと判断した場合は加害者の出所時期を事前に被害者へ連絡する方針を発表した。

一方、犯人の持田は平成11年5月27日、東京地裁から無期懲役を言い渡された(求刑は死刑)。これに対して検察側が控訴した。平成12年2月28日、東京高裁は「動機は理不尽の極みで被害者の申告に悪影響を与えかねない」と無期懲役を破棄して持田に死刑を言い渡した。これに対して持田は上告した。平成16年10月13日最高裁は持田の上告を棄却。死刑が確定した。

平成20年2月1日、東京拘置所で死刑執行。享年65歳。


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