投資ジャーナル事件


−経緯−

昭和60年6月19日東京地検は、海外に8ヶ月間逃亡し帰国した投資コンサルタント業の投資ジャーナル会長の中江滋樹(当時31歳)と妻・加代子(当時31歳)、社長のS(当時30歳)ら11人を詐欺容疑で逮捕した。

投資ジャーナルグループは無免許で株式を売買し「絶対に儲かる」「値上がり中の株を安く分譲する」と言葉巧みに話を持ちかけ7684人の客から総額580億円を騙し取っていた。

投資ジャーナルは昭和53年に設立。その後、東証信用代行、東京クレジット、日本証券流通を設立。株コンサルタントと投資資金を融資する証券と金融を一体化させた。その頃、中江は「兜町の風雲児」と言われ人気絶頂だった。

中江の手口は証券業界誌や自社発行の「月間投資家」などで派手な宣伝を繰り返した。客の投機心を煽り、1人10万円から数百万円の会費を募り、推奨銘柄を教えて融資は系列会社を紹介した。また、保証金を積めば、その10倍の融資も可能と偽り、殆どの客に「預かり証」の発行を交付しただけで実際の株現物の引渡しや提示を拒否していた。

グループが投資家から受けた株式売買注文は12億株、約7000億円相当。だが、実際には4500億円相当は売買を行わず客には計算書だけを渡していた。

−スキャンダル−
中江らは、逮捕されることを事前に察知。交際中の芸者とS社長、途中で加わった妻と4人で香港、マニラ、シンガポールなどを転々として8ヶ月間、豪華な逃亡生活をおくっていた。

逮捕後の取り調べで、投資ジャーナルに便宜を図ってもらう目的で自民党の大物政治家や高級官僚、高級警察官らに数千万円から数百万円の株投資の利益を渡していたことが判明した。更に、芸能界でアイドル歌手だったK子さんが中江の愛人で7000万円の家を貰ったと噂され芸能界を引退した経緯があった。

検察は被害届のあった大口の32人分に絞って起訴した。平成元年4月、東京地裁は中江に懲役6年の実刑判決を言い渡して確定した。尚、事件後騙し取られた580億円の内、約400億円は客に返還されている。


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