長女・家族毒殺偽装心中事件


−経緯−
昭和31年3月9日午後8時45分頃、東京都江戸川区の巡回理容師・U子さん(当時46歳)の長女でメッキ工場勤務のれい子(当時19歳)が隣家(地主)に「お母さんや弟の様子がおかしい、一家心中したらしい」と駆け込んできた。
小松川署が現場に急行し捜査を開始した。U宅では、母親のU子さん、小学校一年生の三男(当時8歳)が絶命。工員の長男(当時17歳)と中学校二年生の次男(当時12歳)が苦しんでいたが病院に運ばれて間もなく死亡した。

小松川署は、れい子に状況を確認した。れい子の供述によると、夜8時過ぎに銭湯から戻ると母親のU子さんが「お前は飲まないでいいよ」といってジュースを弟たちと飲んだあと苦しみだしたと証言した。しかし、心中にしては遺書が無いこと、れい子の証言がチグハグで一貫性が無いことなどから、れい子を厳しく追及。深夜犯行を自供した。

−動機−
れい子は「扶養家族が多くては結婚の邪魔になると思いつめ、家族を殺しました」と供述した。れい子は前年の昭和30年の夏頃、母親の理髪店で東京都清掃局に勤める28歳の青年と出会った。れい子は一目惚れし二人は付き合い始めた。最近になって、れい子はこの青年に結婚を持ち出した。ところが青年は「扶養家族が多いところは、気苦労が多くてイヤだ」と断られてしまった。

そこで、れい子は家族を殺せば青年と結婚できると思い家族を殺すことを計画した。犯行当日、勤務先の工場から拾ってきた青酸ソーダをジュースに入れて家族に飲ませて殺害したのだった。
れい子は犯行が発覚しても顔色一つ変えず、留置されることがわかって初めて泣き出す異常さであったという。


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