柴又・女子大生放火殺人事件


−経緯−
平成8年9月9日午後4時40分頃、東京都葛飾区柴又の会社員・小林賢二さん(当時50歳)宅の木造モルタル2階建て住宅から出火。隣家からの通報で消防車が到着し消火活動を行ったが家は全焼した。金町消防署員らが調査した結果、2階の両親の寝室から次女で上智大学4年生の順子さん(当時21歳)の遺体が発見された。順子さんは、口と両手を粘着テープ、さらに両足をストッキングで縛られ、首を数ヶ所刺されていた。発見時、すでに意識は無く病院に運ばれたが心肺停止状態で死亡が確認された。

事件当日、父親の賢二さんは栃木県へ出張。姉も仕事で出かけており母親は午後3時50分頃、美容院のパートに出かけたため順子さん1人が自宅に居た。母親は出かける際、玄関の鍵をかけないで勤務先の美容院へ向かった。出火は午後4時35分頃と推定され、わずか45分間の凶行であった。

順子さんは、念願の米国留学を2日後に控えて準備に没頭していた。更に順子さんの胸を踊らせたのは、先に留学している3年越しの交際を続けていた大学の先輩に会えることだった。大学も得意の英語を勉強し卒業後は映画関係の仕事に就きたいと夢を大きく膨らませていた。

−犯人の動機とは−
警視庁捜査1課と亀有署は捜査本部を設置し捜査を開始した。順子さんが殺害された現場検証では物色された形跡が無くタンスの中の預金通帳もそのまま、米国留学に用意したカバンの中のクレジットカードや1200ドルのトラベラーズチェックも手つかずの状態だった。このため、顔見知りの犯行の可能性が大きいと見て順子さんの交友関係を徹底的に調査したが手掛かりは掴めなかった。

が、一方でストーカ的犯行という見方もある。小林さん宅は四つ角から道路に面して3軒目に位置し、犯行後もすぐ角を曲がれば駅の方へ逃走できるという犯人から見て安心感がある立地条件だと指摘する声もあった。

犯行当日は、激しい雨が降っていた。このため近所で付近を出歩く人は殆どいなかった。が、数少ない目撃者の中で小林さん宅の方向から傘も差さず柴又駅方向へ走り去る若い男性を見たという証言も得られたが、その後の行方は掴めなかった。

もし、顔見知りだとしたら順子さんが渡米する前に犯行に及んだことが関係あるのだろうか?例えば、一方的に順子さんに好意を抱いていた犯人が、彼氏が居る米国へ行かせたくないという気持ちから犯行に至ったとすれば。が、どれも推定の域を出ない。現在のところ、まったく手掛かりは掴めず迷宮入りになっている。


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