甲府信金・誘拐殺人事件


−経緯−
平成5年8月10日、甲府信用金庫・大里支店の入社4ヶ月目の内田友紀さん(当時19歳)が誘拐され17日、自宅から50キロ離れた静岡県の富士川左岸で絞殺された遺体が発見された。
8月24日、自動車販売会社勤務の宮川豊(当時38歳)が警察に自首し殺害・遺体遺棄の容疑で逮捕された。

−新聞記者を装う−
宮川は大型自動車メーカ系列の販売会社に勤務していた。販売業績を上げるため架空の取引契約を繰り返し7000万円の借金を抱えていた。さらに甲府市内の飲食店で知り合った韓国人の愛人に貢ぐなど生活は破綻状態であった。

金策に四苦八苦している矢先の8月10日午後2時頃、ガソリンスタンドで給油中たまたま山梨日日新聞系列の雑誌「ザやまなし」を読んだ。この雑誌の中で《輝いて》というコーナで女性社員を紹介するコーナが目に入った。宮川は瞬間、山梨県で最大手の甲府信用金庫(以下、甲府信金)から職員を誘拐し身代金を強奪することを考えた。

早速、甲府信金本店に記者を装って電話を掛けた。宮川は電話応対した職員に「ザやまなし」の《輝いて》のコーナに女性職員を掲載したいと申し入れた。甲府信金としては格好の宣伝になると快諾。更に宮川は甲府信金・大里支店の内田友紀さんを指定した。実は、犯行を思いついた宮川は大里支店の窓口に電話代支払いのため大里支店に足を運んでいた。この時、窓口応対したのが内田友紀さんで宮川は彼女のネームプレートを記憶したのだった(別の女性が応対していたら、その女性が被害にあっていたことになる)。

本店から連絡が入っていた大里支店長は宮川からの電話を快諾し内田友紀さんにこのことを告げた。午後5時45分業務を終えた内田友紀さんは宮川が手配したタクシーで小瀬体育館に向かった。

その後、翌日の11日午前8時15分内田友紀さんの父親が大里支店に出向き「娘が帰宅せず、連絡も無い」ことを支店長に伝える。大里支店では大騒ぎとなる。同8時20分、大里支店に宮川は第一回目の脅迫電話を掛けて「11時までに4500万円を用意しろ・・・」と要求した。

甲府信金は警察に届けるとともに現金を用意して待機した。宮川の第二回目の電話は午後1時35分に身代金の受け渡し場所の指示をする。以降、宮川は次々と受け渡し場所の変更を連絡し最後の指定場所が中央高速道の104キロポストで現金を投げ捨てるよう指示した。が、警察の不手際で指定時間から50分も遅れたため犯人検挙は出来なかった。

8月20日、宮川の脅迫電話の録音テープが公開報道された。宮川は逃げ切れないと24日警察に自首した。宮川の供述によると、内田友紀さんを小瀬体育館に誘い出した後、自分の車に同乗させ連れまわした。不審に思った内田友紀さんが騒ぎ出したため午後8時頃、首を締めて殺害。近くの玉穂町の笛吹川(静岡県で富士川に合流する)に遺棄した。ということは、身代金を要求した11日は既に内田友紀さんを殺害した後であり宮川の冷酷な犯行が浮き彫りにされた。

−公判−
平成7年3月9日、甲府地裁は無期懲役を宮川に言い渡した。検察側は不服として控訴。平成8年4月16日、東京高裁は控訴を棄却して一審の無期懲役を支持。宮川の無期懲役が確定した。


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