大蔵省・日本銀行接待事件


−経緯−

平成10年1月26日、東京地検・特捜部は、大蔵省(当時)の銀行局や金融検査部を家宅捜索した。その結果、大蔵省・金融検査金融証券検査官室長の宮川宏一と同部管理課課長補佐の谷内敏美を収賄の容疑で逮捕した。

宮川は、第一勧業銀行(当時)への検査で手心を加え、その見返りに過度な接待を受けていた。谷内は、自宅マンション購入の際、あさひ銀行(当時)の関連会社から400万円の値引きをさせ、その見返りとして検査に手心を加えていた。

この逮捕のきっかけは、証券会社による総会屋への利益供与事件であった。総会屋の小池隆一(平成9年5月14日商法違反で逮捕)は、4大証券の株を大量に購入し、大株主の立場を利用して不正な取引を要求していた。東京地検は、小池の株購入資金の出所を調査した結果、第一勧業銀行であることを突き止めた。第一勧業銀行は、担保も殆ど無い状態で小池に500億円の融資をしていた。そこで東京地検は、第一勧業銀行に対して事情聴取を開始。厳しい事情聴取で、宮崎邦次会長が自殺した。

−MOF担−
第一勧業銀行への取調べで発覚したのが、「MOF(Ministry of Finance)担」と呼ばれる銀行幹部社員達だった。彼らMOF担は、大蔵官僚に対する接待を目的とした担当者で、一日中、大蔵省に張り付き、銀行への検査日程や金融行政の動向を探っていた。大手銀行は、このMOF担を複数配置して、大蔵官僚を銀座や赤坂の高級クラブ、料亭で饗応したり、休日のゴルフなどで接待漬けにした。
日本興行銀行では、大蔵官僚や特殊法人への接待は、年間1億円を超えていたという。

馬鹿げた接待で特に有名だったのが、「ノーパン・しゃぶしゃぶ」接待である。しゃぶしゃぶ料理店のウェートレスが、ノーパン・ミニスカートで料理を運んでくるという店が、官僚達には好評だったらしい。

大蔵官僚、MOF担も、共に東大卒のエリート。それ故に、この馬鹿げた接待が好評であったのだろう。この一連の接待饗応で、銀行のMOF担に、銀行への検査日や金融行政動向などをリークする官僚が多数いたという。

大蔵省と日銀は、幹部職員百数名に対して、停職・減給・戒告などの処分を実施したが、本丸である証券局長や銀行保険部長など高級官僚は、司直の追及から逃れることができた。

よく大蔵官僚は「自分達が居なければ、日本はどうなるのか」と言う。
が、彼達が居たから、日本はここまで低迷してしまったことに気づいていない。


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