スナックママ連続殺人事件(警察庁指定119号)


−経緯−

平成4年1月7日朝、大阪府天王寺区の母子2人暮らしのマンションで、無職の住所不定・西川正勝(当時35歳)が警察に逮捕された。西川は前日の6日夜、同マンションに入り込み、母子2人を殺害しようとしたが抵抗され断念。この母子の母親(当時31歳)から自首するよう説得され、観念した西川は警察に逮捕された。

警察署に連行された西川は、早速捜査官の取り調べを受けた。すると、前年の平成3年12月に発生した4件のスナックママ連続殺人で広域重要指定119号に指名手配されている西川正勝であることが判明した。

−4人連続殺人−
@平成3年12月12日、兵庫県姫路市のスナック経営者・正木久美子さん(当時45歳)を首を絞めたうえ刃物で刺殺。
A同月21日、島根県松江市のスナック経営者・高橋文子さん(当時55歳)を同様に殺害。
B同月26日に京都市のスナック経営者・原田京さん(当時55歳)を同様に殺害。
C同月28日に京都市のスナック経営者・村上紀子さん(当時51歳)を同様に殺害。

いずれも、深夜に1人で店を開けている小さなスナックで、西川は客がいなくなるのを見計らって犯行におよんだ。警察は、17日間で4人を殺害するという前代未聞の凶悪事件で犯行手口が似ていることから同一犯人と断定し広域重要指定119号に指定した。

捜査本部は、犯行現場のうち姫路のスナックで犯人と思われる指紋を採取した。その指紋を前科者指紋カードと照会したところ、西川であることが判明したため、12月30日に全国に指名手配し行方を追った。

年があけて平成4年1月5日昼頃、西川は天王寺区のアパートに住む落語家の入江ゆかさん(芸名:桂花枝、当時27歳)宅に、「電話を貸して欲しい」と言ってドアを叩いた。入江さんが、ドアを開けると西川はいきなり入江さんの首を絞めた。入江さんの悲鳴で西川は両手を緩めて、「すまなんだなあ、俺も殺したくて殺人をやった訳じゃない。もうしたくない」と言って現金14万円を奪って逃走した。入江さんは全治5日間の怪我を負った。

その翌日の6日夜、西川は母子家庭のマンションに侵入し殺人未遂を起こした。前日、入江さんに西川が心情を吐露したように、この段階で逃げることに疲弊。翌朝になって母子家庭の母親が警察に通報し警察官が駆けつけてきた時にはまったく抵抗せずに逮捕されている。

−生い立ち−
西川は、鳥取県で姉4人の末っ子として出生。9歳の時に母親を失い、父親は土木作業員で出稼ぎに出たまま行方不明になった。中学に入ると非行に走り、養護施設や少年院に送致された。昭和49年7月、18歳になった西川は鳥取市でスナックのママ(当時26歳)の営業態度を勘違いし、いきなり関係を迫って抵抗されたため殺害し松江刑務所に10年間服役した。

松江刑務所を出所した昭和54年、西川は松江駅前のパチンコ店に就職したが、出所後2ヶ月にして強盗致傷事件を起こし再び刑務所に戻る。結局、懲役7年の刑を受け平成3年10月に鳥取刑務所を出所。鳥取刑務所を出所してから2ヵ月後の平成3年12月、姫路のスナック・正木さん殺害から連続4人の殺人が始まったのだった。

18歳以降、刑務所暮らしは17年間で社会にいたのは僅かに5ヶ月間だった。平成7年9月の大阪地裁、同13年6月の大阪高裁はともに西川に対して死刑判決を下している。平成17年6月7日最高裁は西川の上告を棄却して死刑が確定した。


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