大韓航空、空中爆発事件(キム・ヒョンヒ事件)


−経緯−

昭和62年11月29日午後12時頃、バクダット発アブタビ−バンコク経由ソウル行きの大韓航空858便ボーイング707型機(乗員・乗客115人)が、ベンガル湾上空で「バンコクに定時到着する」という連絡を最後に消息を絶った。同機は3ヶ月前に胴体着陸事故を起こしていたため、事故による山中墜落説や海中墜落説など様々な憶測が飛び交った。

韓国当局は、この段階から北朝鮮の関与を示唆していた。翌30日午後、韓国政府は日本外務省に《バクダットで858便に搭乗し、途中アブダビで降りてガルフ航空に乗り換え、バーレーンに入国した「蜂谷真一」と「真由美」という日本人親子のパスポート照会》を依頼してきた。更に、同日夜には在バーレーン韓国大使館の代理大使がホテルに宿泊している蜂谷親子に接触し渡航目的などを確認した。

12月1日、現地の日本大使館員が同ホテルに出向きチェックアウト直前に蜂谷親子に接触し、パスポートは実在する別人のものであることを確認した。日本大使館側には身柄拘束権が無いことからバーレーン国際空港の入管当局にパスポート偽造の事実を連絡し空港内で改めて2人に事情聴取した。ところが、取調室で2人は突然、毒入りのアンプルを飲み「真一」は死亡、「真由美」は一命をとりとめた。

この2人は日本人親子を装った北朝鮮の秘密工作員で「真一=金勝一」と「真由美=金賢姫(キムヒョンヒ)」であることが判明。韓国政府の強い要求により12月15日、金賢姫はバーレーンから韓国に引き渡された。
12月10日に海上で同機と思われる漂流物を発見。焼け跡があることから空中で爆発したと断定し19日に115人全員の死亡を公式に発表した。

−犯行目的−
金賢姫は北朝鮮の労働党中央委員会調査部所属の特殊工作員で、金勝一と共に日本人のパスポートで858便に搭乗。天井の荷物入れにトランジスタラジオにセットした時限爆弾を置いて、次の経由地であるアブダビで降りたことを認めた。
爆破目的は翌年、韓国で開催されるオリンピックの妨害・阻止であったことを自供。命令指示は、金正日朝鮮労働党書記の親筆であったことも判明した。

平成1年2月3日、韓国は金賢姫に対して国家保安法、航空法、航空機運行安全違反で起訴。一審、二審の死刑判決の後、平成2年3月27日死刑が確定した。だが、韓国政府は「生き証人」として翌月12日に特赦で無罪とした。
金賢姫は、工作員になるための教育で日本語の先生が「李恩恵(リ・ウネ)」という日本人であったことを告白した。日本政府は、この李恩恵は日本で拉致された田口八重子であることを確認している。
しかし、北朝鮮は犯行に関して韓国や米国、日本などの陰謀であるとして犯行を全面否認している。

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金賢姫 逮捕され韓国に連行される金賢姫


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